きっちりと糖尿病の治療に励み、合併症を予防しましょう

糖尿病は、どんなところが、こわい病気でしょうか。
糖尿病とは、糖の代謝異常のために、高血糖状態が5~10年と長く続くと、全身の血管の障害を起こし、合併症をまねく可能性が高くなります。
その糖尿病の原因は、①生まれつきインスリンを分泌する機能が低いか、インスリンを作るβ細胞が壊れている②過剰な食事や運動不足など生活習慣の悪さで、膵臓が疲れて、インスリンの分泌量が減少したり、働きが低下している③妊娠によるもの④他の病気や、薬の影響のよるものなどががあります。
慢性的な高血糖状態は糖尿病特有の最小血管合併症を、眼、腎、神経に引き起こします。これを糖尿病三大合併症(糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害)といいます。
糖尿病網膜症は、緑内障と共に成人の失明原因としては最も多い病気です。網膜には毛細血管が多く集まっており、眼球に酸素や栄養を供給しています。高血糖状態が長く続くと毛細血管に異常がおきます。そして症状の進行具合で、単純網膜症・増殖前網膜症・増殖網膜症に分類されます。網膜がもろくなり、点状出血を起こしてはいるもののまだ自覚症状のない程度から、網膜剥離や出血を起こし、視力低下や、ちらつきなどの自覚症状があるものまで病状は異なります。
糖尿病腎症は、高血糖状態の持続により、ろ過装置の役割をしている糸球体細胞が代謝異常を起こし、また、糸球体内の血圧を調節する機構が破綻することにより起こります。その病状の進行具合により、1期から5期に分けられます。糖尿病腎症で現れる症状は、蛋白尿・腎機能低下・高血圧・浮腫などがあります。糸球体の障害でろ過能力の悪化が進むと、やがては腎不全になり食欲不振・全身倦怠感・貧血・体液貯留などがみられます。
糖尿病神経障害は、網膜症、腎症と並ぶ三大合併症中、最も早期に発症します。
神経系は部位により、中枢神経系・末梢神経系・自律神経系などに大別されますが、糖尿病では、末梢神経系と自律神経系が特に障害されます。症状は、全身に及び、立ちくらみ、無痛性心筋梗塞、便秘・下痢、排尿障害、こむら返り、足のしびれ感、腱反射の低下・消失、勃起障害などさまざまです。
三大合併症のほかにもいろいろな合併症があります。糖尿病が進行して、合併症を発症すると、それらの症状に応じた治療も必要になります。ここでは、それぞれの治療の説明は省いています。
糖尿病の治療目的は、血糖・血圧・体重・血清脂質などをコントロールして、糖尿病の進行を防ぐことと、急性・慢性の合併症を予防することにあります。何よりも、早期発見・早期治療が大切です。そして、ふだんの生活習慣を見直し糖尿病にならないようにしましょう。